勝手にウルトラマラソン2016
勝手に大坂の陣
第7回「攻略」
徳川の刺客となったタナカの猛攻
軍勢は近江を攻め落とした
ばんば達は二条城を目指すが
琵琶湖の先で生き残りの近江の走者が
行く手を阻んでいた。
2日目のスタート、俺達は彦根駅前から走り出した。
脚が動くまでゆっくり進む。いつもより脚全体がボーンと太くなってる感じがする。膝の関節は錆びた機械を動かしているみたいにギシギシしていた。
3日間の行程で俺が一番不安だったのは2日目だった。
初日は興奮もあるし応援も多いだろう。距離は長いが元気な状態でスタートするので疲労の心配は無い。走りきる自信は十分にあった。最終日はどうだろうか?疲労は相当蓄積しているだろうがコースが実にいい!京都~奈良~大阪と走るだけでワクワクしそうなコースだ!生駒山の山越えもある!これで終わりだという気持ちがきっと前に進む力になるであろう。
しかし2日目に関しては何とも言えない不安感だけが漂っていた。まず俺は2日連続で長い距離を走ったことが無いという事実。脚がどれだけ回復するものか見当がつかない。そしてコース、琵琶湖まではただただ地味に滋賀県の何も無いただの道路を進むだけなのだ。琵琶湖を渡る近江大橋まで50キロもある。大丈夫だろうか?
ゆっくりゆっくり走って行く。身体が温まるにつれ動きは良くなっていった。脚の浮腫みや重さは変わらないけど動かせることに安心した。
そうは言っても初日と同じようにはいかない。序盤は休憩をこまめに入れながら様子見様子見で進んだ。
昨日タナカちゃんに貰ったげんこつ飴を口に放り込み
あ~嬉しいな~マジで!愛を感じるなぁ~!
でも愛は無いんだろうけど…
とつぶやく。ぷらさんが笑いながら言う
いやいや愛はありますよ!
ばんばさんの求める愛では無いですけどね!ふふふ。
俺が求めてる愛ってなんだろう?
みんなの俺への愛は(あるのであれば)どんな愛なんだろう?
何て考えながら走っていたらあっと言う間に安土城址(20キロ地点)に到着!
今は城は無く、その跡があるだけだ…
入場料を支払いちょっとした山を登っていくのだがここで脚を使うこともなかろう。引き返そうとするとおじいちゃんが寄ってきた。
700円払って登っていくだよ。
700円払って登っていくだよ。
700円払って登っていくだよ。
700円払って登っていくだよ。
700円、700円と700円押しだ。
先を急ぐ、順調に進んではいるが昨日とはやっぱり全然違う!俺もぷらさんもやっぱり疲労が残っていて思うように走れない感じだ。
何回目かのコンビニ休憩をとる。レジのお姉さんがのぼり旗を見て話しかけてくれた。
なんですかそれ?えっ??
なになに?カッコイイですね。
名古屋から走ってきました。
えーーー!!走ってって!?
走って!?ホントに!?
ランニングの走ってです。
えーーー!!!
俺達は別に普通に来ただけなんだけど本当の普通はこのお姉さんのリアクションの方なんだろう。気さくで素敵なお姉さんと記念撮影。
頑張って大阪まで走ってください!!
と応援の言葉をもらって疲れ気味だった俺もぷらさんも元気を取り戻した。
2日目の行程は70キロ。40キロ地点を13時に通過し昼食の予定だったがそれよりも早く俺達は疲れの第1ピークを迎えていた。
やや早めに地元のお食事処で昼食をとる。
生中継を見ていたぷらさんの友人Iさんが差し入れを持って応援に駆けつけてくれた。
店の壁のお品書きに目をやる。
しるこ~ぜんざい~亀山。
亀山って何よ!?まぁ俺、しるこ と ぜんざい の違いも曖昧ですけど…
関東はしるこみたいですね。関西はこしあんかつぶあんかでしることぜんざいと分けるみたい。で亀山は汁気のない濃いぜんざいの事を指すらしいですよ。YO!YO!ですよ!
ためになるね~。このブログ。
ってここまで書いて食ってないんですけどね。食えばよかった。(´Д` )
昼食を終え再び走り出した。あと15キロくらいで近江大橋だ!そう琵琶湖だ!琵琶湖を見たら絶対元気になるよ!絶対!だから頑張ろう!
そう言えば今日は並走するランナーがいないな。愛知も岐阜も並走するランナーがいた。おいおい滋賀県にはランナーはいないのか!誰か来いよ!ってぶーぶー言いながら俺達は進んでいく。ぶーぶー文句を言う = 疲れている ってことなんだ。
当たり前なんだけど進めば進んだだけ先に進む。俺達はとうとう琵琶湖まで来た。
うぉーーー!!
琵琶湖でかい!!
皆さん120キロ位走って琵琶湖を見に行ったことあります?今、俺とぷらさんが見ている琵琶湖は他の誰が見る琵琶湖よりきっと素敵だ!
すごく素敵だ!ものすごくデカい!滋賀県最高!
長い長い橋を渡る。橋を渡ったら大津市に入る。街の賑やかな雰囲気っていいね。本当に少しだけど疲れを忘れさせてくれる。一山越えたら京都だ!
坂を登る俺達の前に1人の女性が現れた!小柄で綺麗な女性はランナーの格好をしていた。近江は制圧しもう侍はいないと思っていたがいたぜ!近江の女走者の登場だ!
敵か味方か!?∑(゚Д゚) 刀に手をかけたが何かむちゃくちゃ腰が低いぞ!近江の女走者はどうやら俺達の仲間らしい。
初めまして~taeです。どうしてもお会いしたくて来ちゃいました。ごめんなさい!ちょっとだけご一緒していいですか?
かっ…かわいい!!(//∇//)とにやける俺とぷらさん。もちろん大歓迎だ!
出会ったばかりだったが京都入りの準備と休憩のため近くのコンビニで一服する。店内で座ってコーヒーを飲んでいたら店のPOPが風でパタンと倒れた。taeさんが片付けようとサッと動いた。POPを起こしたが向きが逆でチラシがバラバラと散乱してしまった。これだけでtae さんがいかに素敵な女性かがわかった。俺はすごく素敵だ!と思いながらコーヒーをすすっていた。(お前も手伝え!!)
taeさんは京都に侵攻する大きな原動力となった!
(見よ!この嬉しそうな男どもを!)
いままでぶ~ぶ~言ってたのは何だったのか?
滋賀を抜け俺達は京都入りをした。この時の俺とぷらさんすごくいい走りをしてたと思う。この旅一番だったかもしれない。
来たぜ!京都だ!
次回、
勝手に大坂の陣8「異変」
何があった!!??
ランキングは何もないけどよ!!