マラソンバカ一代

静かに暮らしたい…

勝手に大坂の陣 11「最終回」

勝手にウルトラマラソン2016

勝手に大坂の陣

 第11回「最終回」

 

二人は思わぬ策で生駒の砦を越えた

しかし瀕死のばんばは大坂城へ辿り着くことすら困難になっていた

 

天下統一を目前にしながら足踏みをする二人の前に一人の侍が現れた

 

長い戦いは終りを迎える

 

 

 

俺達は生駒駅から暗峠に向かった。右脚も左脚もむちゃくちゃ痛い!この脚で峠を越えることができるだろうか?生中継のバッテリーが切れてしまっていたのでこの旅の行方を気にかけて下さっている皆さんのために生駒山登山を諦めルートを変更し暗峠を行くことをツイッターに呟いた。するとちょっとした反響があった。

 

200キロ走った脚で暗峠を越えるのか!?

すごい!信じられない!!((((;゚Д゚)))))))

 

今から俺達がやろうとしていることは普段走っているランナーから見てもクレイジーなことのようだ。道に迷いながら暗峠の入口近くまで来た。暗くてどこかよくわからず苦労してようやく入口に辿り着いた。

峠のだいぶ手前だが道に入った瞬間空気が全く違うのを感じた。明らかに違う!ものすごく寒い!

 

腰をかけるのにちょうどいい高さの所があり座った。ぷらさんも俺の横に腰をおろした。

ばんばさん、スニッカーズ食べます?

あ…ありがとうございます。

ぷらさんは自分のスニッカーズを手で折って俺にくれた。2人で口に放り込みモゴモゴする。甘い味が口いっぱいに広がって何とも言えない安心感に包まれた。

めちゃくちゃ寒いっすね。

ですね~。

峠の方から冷たい空気が流れてくる。巨大な冷凍庫のドアが開けっ放しになってるみたいだ。暗峠に向かって行くか?やめるか?決断をしなければならない時が来た。

ぷらさんすいませんでした…。わがまま言いました…。電車に乗ります。

ばんばさん!大丈夫!その方が面白い!

これこそ勝手にウルトラマラソンですよ!

悔しくて悔しくて仕方がなかった。でもこれ以上意地を張ってぷらさんに迷惑をかけることにも耐えられなかった。正直俺の脚はもってあと5キロがいいところだろう…。

 

俺達(いや俺)は暗峠越えを諦め駅に向かった。

そうは言っても当初予定していた225キロは走ることになるから電車に乗るけど完走ってことにならないですかねぇ~。(´Д` )

ならないですね~。

ですよね、ふふふ。

 

切符を買い改札を通過する。俺一人だったらここまでも来れなかった。ぷらさんがいたから俺は今ここにいる。もし一人でここに来れたなら俺は間違いなく暗峠に突っ込んでいたと思う。そして事故を起こしていただろう。自分と向き合い正しい判断を下すことが過酷な状況の中では一番大切だということを教えられた。これでいいのだ…。辛くともこれでいいのだ…。西から上ったお日様が東へ沈む…これでいいのだ。

 

暖かい電車は俺達を乗せて簡単に本当に簡単に生駒山を越えた。さっきまで安い青春ドラマのように走るだの走らないだのやり取りしていたおっさんを乗せて。

 

ぷらさんが この面白い絵を残しておこう! と写真を撮る。俺は不甲斐なかったので打ち首をしてます。電車乗りたてでまだ納得してない顔をしてます。

 f:id:marathondojo:20170205161821j:image

新石切駅に到着した。ここから大阪城まで14キロある。大阪城まであと少し!俺達は再び走り始めた。泣きながら…(まだ納得してない顔してるね)

f:id:marathondojo:20170205161852j:image

駅からひたすら西に向かって走れば大阪城だ!もう道に迷うこともない。何も考えず走ればいいだけだ。

f:id:marathondojo:20170205161928j:image

ここまで200キロ以上走ってきた脚は電車に乗ったことでもう終わりと判断したみたいだ!やれやれお疲れさんだって!全く走ることができない!

 

軽快に走るぷらさんに追いつけず待たせてばかり。ぷらさん凄いな!まだまだ走りに余裕があるって言うかゴールが近づいたことでより元気が出たんじゃないの?余裕で走るぷらさんに俺は不満を口にするくらいおかしくなっていた。本当に失礼だ!

(´Д` )ぼぇ~

 

遥か先を元気そうに走るぷらさんを追って苦しみながら走っては歩き…止まっては苦しみ歩いた。残りはどれくらいだろうか?ふらふらになりながら歩く。

 

その時前方から ディーンフジオカ 似の男がやってきた。

f:id:marathondojo:20170208231203j:image

刀に手をかける気力もなく男と対峙した。

摂津の侍!走者 ごえもーん さんだった。

 

ばんばさん初めまして。

 

ごーん・もえオカ (ディーンフジオカ風に言ってますが  ごえもーん さんのこと)はボロボロの俺を見てやや遠慮気味に挨拶をした。元気よく挨拶をするのも遠慮するくらい俺はボロボロだった。

 

ごーん・もえオカ の要望でシューズ円陣!

f:id:marathondojo:20170205161938j:image

ごーん・もえオカ (ごえもーん さん)とは初めてあった。

俺、もえオカのブログが大好きなんだ!

以前は色んな人のブログを手あたり次第読んでいたけど今では本当に好きなブログだけを読ませて頂いている。ごーん・もえオカのブログ(ごえ家)は数少ないお気に入りの1つだ!俺もこんなブログをかけたらなぁ~と思う。そんなごえもーんさんは大阪入り前から実は俺達のことを心配してツイッターにDMをくれていた。

 

シャレにならんようになったら遠慮なく言ってね。

車だすから!

 

優しいね。本当に嬉しかったです。新石切駅に着いた時も連絡をくれて

走って行くから !

と言ってくれたが俺はカッコ悪い姿を見せたくなくて正直会いたい気持ちと会いたくない気持ちが半々だった。

 

元気だったら楽しい会話もできたのに俺はただただボロボロで残り3キロと言われても走れず。ぷらさん、ごえもんさんにただただ謝りながら脚を引きずり前に進んだ。

 

大阪城です!

 

とごえもんさんが言う。見たくて見たくてたまらなかった大阪城が見えた。来たくて来たくてたまらなかった大阪城に長い長い時間をかけて俺達は遂に辿り着いた。

 

大阪城公園の中を進む。木々に囲まれた公園は驚くほど寒かった。入り組む道を外れること無く城に向かって最短距離で進む。普段この辺りをランニングしているごえもんさんの案内は完璧だった。

 

城の前にどこかで見た男が立っていた…。

目を凝らして見る…。

 

あっ!!ポンペ先生!! (´Д` )

 

ポンペ先生は峨山道トレイルランでご一緒させて頂いた三重のランナーさんだ!三重のポンペ先生が何故深夜の大阪城に現れたのか?ポンペ先生は三重の銘菓なが餅を土産に渡すと、じゃあ! と走って帰っていった。

Σ(゚д゚lll)えぇっ!!

 

しぇんしぇーー!!(´Д` )

何だったんだー!

でもありがとー!!

 

最終日は美女では無くおっさん2人がおっさん2人を応援して終わった… (´Д` )

俺達は3日間の旅を終え、大阪城に辿り着いた。

f:id:marathondojo:20170205162005j:image

最終日終了

77.8km  17時間4分

 

3日間合計

232.6km 42時間32分

 

 

ぷらさんが言った言葉でカッコつけてて大好きな言葉がある。ぷらさんが名古屋~東京を走るきっかけとなった話に出てくるんだけど…。

 

「大人になるとできることしかしなくなる。そんなのが嫌で…。できないことをやる気持ちがなくなったら終わり」

 

とってもとっても素敵な言葉だと思う。俺は名古屋~東京を並走した後でぷらさんがこう語っているのを見てカッコつけててカッコいいなぁ~と思った。

 

できないことをやってみたい! 俺もいつもそんな気持ちでやってます。で…迷惑かけちゃってるからごめんなさいだけどねぇ~。 (´Д` )ぼぇ〜

 

こうして俺達の勝手に大坂の陣は終わった…。

結果は?完走?途中棄権?

そんなのどうでもいいよ。並走してくれた仲間、応援してくれた方々、このブログを読んでくれてる皆様がそれぞれ決めて下さったらいいです。完走だ!DNFだ!それぞれ評価して下さいね。

 

あと皆さんが気になるのは 来年もやるの? ってことでしょうね。

 

ぷらさんには他にも素敵な活動があってそちらが忙しくなりそうです。毎年続いた勝手にウルトラマラソンは少しお休みになるのかなぁ。

 

俺は今回の勝手に大坂の陣でぷらさんから生中継ノウハウを伝授してもらうつもりでしたがご覧の通りの撃沈ぶりで何も勉強できておりません。 (´Д` )へへへ…

 

ぷらさんはぷらさん、俺は俺でまたワクワクすることを必ずやりますよ。

 

3日間で俺とぷらさんが名コンビになれたか?迷コンビだったか?わかりませんが皆さんにはどう見えたんだろうか?気になってます。ばんばとぷらがダラダラ走るのをまた見たい と言う意見もあったりして嬉しいですね。 またやるの!?とすご~く良く聞かれます!だからここで答えておきますね。

 

いつかはわからないけど、またぷらさんと走りますよ!できないことをやってみますね…。

 

ね!?ぷらさん!!(´Д` )

f:id:marathondojo:20170205162020j:image

 

 

 

おまけ

 

ゴール後、ごえもんさんの案内で駐車場まで歩きぷらさんの奥様とご挨拶!素敵な奥様にお土産まで頂く。遅くなった犯人なのに申し訳ない!走り終えた俺は身体を冷やさないように持っている衣類を全部着たがブルブルふるえていた。これが冬のウルトラよ!ごえもんさんの車でホテルまで送って頂く。すげぇ!優しい!助かった!車に乗せてくれなかったら凍死してたかもしれないぜ!ブルブル震えながらホテルの大浴場につかり生き返って部屋に戻る。買っておいたコンビニ弁当を凄い勢いで食べた。缶ビールを煽りベッドに横になった。

 

3日間の戦を振り返った。

最初から最後まで全て

どの場面を切り取っても

キラキラとしていてとっても素敵だ。

 

走ることっていいね。自分がいかにダメな奴かわかる。走れば走るほど…。

今回もダメな自分をさらけ出したな!でも次々に現れたランナー達は、そんなダメな俺を応援し励まし大阪まで走らせてくれた。みんな変わってるなぁ。 (´Д` )ぼぇ~  生中継を観てた人、ブログを読んだ人、沢山の人が応援メッセージをくれた。おっさん2人がジョギングしてるだけなのに…。本当に嬉しかったです。

 

1月1日に終わった出来事を2月11日まで話してる。いつまでしがんでるんだ!と言う方もみえるかもわからないけど、ブログ書き終わったら本当に終りになる感じがして寂しかったんだ。でもまぁ余韻に浸るのもここまでかな?ここからまたスタートだ!

 

家に帰るまでがマラソン。

翌日大阪でしこたま酒を飲んだ俺は…

f:id:marathondojo:20170211072721j:image

名古屋では無く 新横浜 に到着!

(´Д` )寝過ごしたー!うぇい!

 

 

勝手にウルトラマラソン2016

勝手に大坂の陣

 

 

次回、

名古屋ウィメンズマラソン2017

コース試走会

お楽しみに!

 

 

勝手に大坂の陣いかがでしたか?感想お待ちしております。

是非最初から読んでみてください。読みごたえがあると思います。3「挑戦」から11「最終回」までに3日間の出来事が書かれています。

人気ブログランキング