マラソンバカ一代

静かに暮らしたい…

第30回山口100萩往還マラニック大会 その8

湯本温泉で完全に遅れてしまった俺。脚が痛いってグズグズしてるからこんな事になるんだ。この先距離を重ねれば重ねるほどペースは落ちていく。って事は先に行くほど挽回するのが難しくなるってことだ。

 

何をグズグズしてんだ!バカタレ!

今何とかせんかい!脚は痛くない!

絶対に痛くないんだ!

 

湯本温泉エイドで補給をしながら自分に言い聞かせる。

 

次の仙崎までしっかり走るんだ!

 

湯本温泉から7.6キロ先が仙崎公園。そこから静ヶ浦キャンプ場まで行って再び仙崎公園に戻ってくる。仙崎に向かうランナー達の足取りは皆重かった。昨日のスタートからちょうど24時間が過ぎて疲れていないなんて人は1人もいない。

なんかスイッチが入った感覚があった。脚の痛みは無くなりゆっくりではあるが走り続けることができた。

 

コレだよ!コレ!ウルトラはこうじゃなきゃ!

あきらめなければ絶対に復活する!(´Д` )!

 

152.3キロ地点

仙崎公園エイド(往路)

スタートから24時間52分(5月3日 18時52分)

 

ギリギリプランでは19時だ。湯本からの踏ん張りで少し挽回できた。記帳を済ませ自分の到着順位を確認する。

286位…。(´Д` )

萩往還250キロのエントリー定員は500名。完踏率が50%と考えて上位250人に入ってないとヤバいグループだと思っていた。そしてそう今俺は完踏ヤバいグループ入りをしているのだ!まだまだ頑張らなきゃだ!

 

折り返して帰ってきたポンぺ先生と出会う。

 

ぐわぁ~先生速い!!(´Д` )

 

先生に会うとそれしか言ってないけど速いから仕方ない。ここで会うってことは12キロ位の差があるってことだ。時間にしたらどれくらいだろうか?疲れてて頭が回らず答えは出なかった。

 

 

完全に夜になり暗くなった。暗くなると睡魔が襲ってくる。暗闇の中1人走る。ヘッドライトの光が走りに合わせてゆらゆらする。あるのは道、闇、光と俺…。

 

坂を上りながら左側の壁を見ていた。地元の人達が描いたものか?観光の人達が描いたものか?沢山の絵馬がぶら下げてある。ペンで描かれた絵がとても素敵だ。

すごいな!ずっと絵馬がぶら下がってる!

結構な長さだぞ!みんな上手に描いてるなぁ~!!(°▽°)

絵馬をしっかり見たいと思って走るのをやめ目を凝らして近付く。

 

葉っぱ!?葉っぱか…。(´Д` )

 

あ~これか!先輩方が見るって言ってた幻覚ってやつ。アカン!超眠い!でも走らなきゃだ。静ヶ浦キャンプ場までとりあえず行こう!休憩はそこで考えたらいい!

 

 

158.4キロ地点

CP8 静ヶ浦キャンプ場

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キャンプ場ではカレーが振る舞われていた。

キャンプっぽいじゃねぇか!この野郎!

ここではログハウスの中で仮眠がとれるようになっていた。この先の176.2キロ地点にある宗頭文化センターが選手の休息場になっていてほとんどの選手がそこで休むのだがさすがにギブアップだ。5分だけでいいから寝かせて欲しい。(それ以上はダメ!)

携帯のアラームをセットして5分寝る。感覚的には10秒位でアラームが鳴り起こされる。寝れたかわからないがとりあえず寝た。時間も無いし強制出発!

来た道を戻りさっき通過した仙崎公園エイドへ。

 

164.5キロ地点

仙崎公園エイド(復路)

スタートから27時間28分(5月3日 21時28分)

仙崎公園エイドは復路も記帳がある。記帳の時には自分の通過順位を確認しなきゃだ。

280位…。(´Д` )

えっ!?あんなに頑張ったのに6人しか抜いてない?ってかログハウスで寝たからかな?まだまだ完踏ヤバいグループじゃないか!

 

 

宗頭……。

宗頭エイドは萩250キロランナーにとって天使でもあり悪魔でもあるエイドだ。食事、入浴、仮眠…預けていた荷物も引き取れる。唯一の全部オッケーエイドなのだ。これはヤバい!えっ?ヤバい理由がわからないって??

バカタレ~~ぇい!!

カイジ (漫画 週刊ヤングマガジン連載中) を見てないな!

 

あの班長の名言…。

 

心はゴム毬だよ。

おさえつけられれば必ず跳ね返そうとする。

 

今までおさえてきた欲が宗頭エイドで爆発するんだ!多くのランナーがこの宗頭エイドで復活し完踏している反面…欲が爆発してDNFになっている選手も多い。そんな天使と悪魔が共存する安息地宗頭に早く到着したい!とにかく宗頭で休みたい!

 

暗闇の中1人宗頭に向かって走る。途中眠くて道端の邪魔にならない感じのところでうずくまって寝る。携帯のアラームをセットして5分だけ。長くは寝れない!長く寝れるほど余裕はないんだ。

 

前方に蛇行して歩くランナー、追い抜きながら見ると完全に寝ながら歩いていた。キャンプ場に向かってる時の俺もこんな感じだったんだろうな。完全に記憶が無い箇所がいくつかある。明らかに寝ながら走っていた。

 

暗闇の先に明るいところが見えた。

やった!宗頭だ!!(≧∇≦)

と喜んだ時、左脚の小指に激痛が!

ぎゃぁあ!!(つД`)ノ

今まで経験したことの無い痛み。あ?爪がはがれたのかな?と思う。とにかく小指が痛くて痛くて走れない。エイド手前で良かったわ。とりあえずエイドで立て直しだ!

 




次回、

第30回山口100萩往還

マラニック大会 その9

に続きます。

 

 

 

 

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