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マラソンバカ一代

何となく走り始めたら坂道を転がるように止まらなくなってしまったマラソンバカの日記

勝手に大坂の陣 10 「軍議」

企画ランニング

勝手にウルトラマラソン2016

勝手に大坂の陣

 第10回「軍議」

 

生駒の砦が二人の前に立ちはだかった

 

砦を攻略し大坂へ侵攻することが

天下統一に不可欠であった

 

強固な砦を前に動きを封じられた二人

軍議でぷらがある提案をする

 

 

俺達は奈良県に入った。京都と奈良の県境から奈良の中心部まではまだ少しある。東大寺で大仏を見学して昼食をとる予定だったが脚が痛くて走れず予定は大幅に遅れていた。進めば進むほど街に近づき賑やかになってくる。昨日までならそれで元気が出たが今日はそんな簡単にはいかなかった。

 

何回も先を進むぷらさんを待たせ追いつく。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。長い時間をかけてボロボロの身体を奈良駅まで運んだ。最終日75キロの距離の半分を消化した。

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初日、2日目と多くの仲間に支えられここまで来た。

最終日は誰も現れねー。京都にも奈良にもランナーはいないのかー!?(´Д` )

と疲れが出た時恒例の文句にも力が入らないな。

 

予定を大幅に遅れていたので大仏の見学はせず遅い遅い昼食をとる。何か食べることで気持ちがリフレッシュできて走れるようにならないだろうか?胃腸は元気なんだけどな~。揚げ物全然食えるよ!家康と言えば天ぷらだろ?天ぷら食って俺も死んでやらぁ~!

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当たり前だけど食事をしただけでは脚の痛みは治らなかった。奈良駅前を西に向かって走り始める。あぁ奈良マラソンのコースだ!懐かしいなぁ~。こんなボロボロで再び走るとは思いもしなかったなぁ。賑やかな街を抜けると次第に人が少なくなっていった。

 

相変わらず遅い俺を進んでは待ち進んでは待つぷらさん。イライラしてるだろな。ゴールの大阪城で奥様が待ってるらしい。俺のことなんか置いて先を行けたらぷらさん楽できるだろうな…と思いながら遠くに見えるぷらさんの背中を追いかけた。

 

阪奈道路から俺達は生駒山登山口を目指した。いよいよ生駒山というところで当初予定していたルートが進めないことがわかった。スマホでルートを確認しながら進める道を探すぷらさん。俺は探す気力すら無くただそれを見ているだけだった。ぷらさんはどこかの施設に道を聞きに入っていった。俺はついていかずその場で待った。ひんやりとしたアスファルトに横になった。

 

過去走っているときに横になったことが1度だけある。初フルマラソンで福知山マラソンを走った時だ。あの時と違う辛さだがとにかく横になりたかった。初フルマラソンの事を思い出しながら道路に寝ころんだ。横を車が通過していく。死体に見えるかな?初日にネムネムさんがくれたサプリ(ニー)を飲んだ。最悪の時に飲むと決めていたんだ。何とも惨めだ。でも脚が少し楽になるのがわかった。まだ少しならいけそうだ。

 

外食に向かう途中だろうか?親切なご家族に道を聞き、とりあえず生駒駅まで向かうことになった。何とかぷらさんの背中を追って走る。日が落ちて暗くなってきた。駅に向かう途中でぷらさんの生中継用のバッテリーが切れてしまった。

 

すいません!僕がもう少し走れれば!(´Д` )

 

俺達に起きている全てのことは走れない俺のせいだと感じていた。大仏の見学ができなかったこと、生駒の登山口が見つからないこと、バッテリーが切れたことも全部俺が遅いからだ! 謝るくらいなら痛いの我慢して走れや!! と自分に腹が立ってイライラしていた。

 

 

ぷらさん!僕はゴールまで走るつもりです!でもあと何時間かかるかわかりません!奥さんも待っているし先に行ってて下さい!そしたら今日中にゴールできる!もう時間も無いし!

と耐えかねて言った。

ばんばさん!時間って何です!?これはレースじゃない!今日中にゴールしなきゃいけないって誰が決めたんです?おっさん2人がただジョギングしてるだけですよ!先に行ってくれって何!?2人で行くんです!

でも遅くて迷惑かけてるし奥さんも待ってるから!あまり待たせる訳にはいかない!

そんなことは気にしなくていいです!嫁もきっとそう思っています!

強い口調でぷらさんに言われ俺はトコトン駄目な奴だと凹んだ…。

 

生駒駅も間近というところでぷらさんがこう言った。

ばんばさん生駒駅から1駅だけ電車に乗って山を越えちゃいましょう!(^-^)

何を言う!?早見優だ!思ってもない提案に言葉がでなかった。

 

それはダメでしょ!名古屋城から大阪城まで225キロ走破するのが勝手に大坂の陣でしょ!自分たちの脚で生駒を越えて大阪入りしなきゃ!

電車に乗っちゃうほうが面白いじゃないですか!

 

答えが出ないまま俺達は生駒駅に着いた。駅員さんに大阪へのルートを聞いた。駅員さんは暗峠を越え大阪に行くルートの観光地図をくれた。

ばんばさん暗峠に行きますか?それとも電車に乗りますか?

走りたくても走れていない俺にぷらさんは厳しい選択を迫った。

僕はあと45キロは余裕で走れます。峠も行けるし距離を伸ばし大きく迂回もできます。ばんばさんはどうですか?あと20キロちょっとはあります。残りの距離の1.5倍走る脚が無いのならやめたほうがいい。あと30キロ以上走れますか?

言葉を返すことができなかった。できることなら1cmでも距離が短くなって欲しいと思っていたから…。

走り始めて3年、色んなレースに出場し沢山の企画も自分で考えて走った。ただの1度も自分が走ると決めたことをDNS(棄権)もDNF(途中棄権)もしたことが無い。それだけが自分が走ることで唯一誇れることだった。事前の準備と本番での根性があればやれないことなんて無いと思っている。でも今それができていないことを身をもって知らされ悔しい気持ちでいっぱいだった。事前の準備も根性も足りなかったのだ!

 

ぷらさん!はっきり言って走れません!でも電車に乗るのは納得できないです!わがまま言わせて下さい!暗峠の入口まで行かせて下さい!せめて峠の入口まで行ってやれるかやれないか決めさせて下さい!そこまで行かずに電車に乗るのは納得できないんです!

暗峠の入口はここから3.5キロのところにあった。そこまでまた走ることは今の自分の脚の状態を見てもバカなことはわかっていた。誰も見ていないんだから変な意地を張らなくてもいいのに…。でもギリギリまでやらないとダメだ!男ってのはそうじゃなきゃダメだ!

 

暗峠に俺達は向かった。

 

次回、

勝手に大坂の陣11「最終回」

あと1話で終わります。読んでね。

 

 

 

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